弊社代表の王篠卉の共著《継承者―日本长寿企业基因》が中国で出版されました
2019年10月23日

 

株式会社TOHOKI代表取締役社長の王篠卉と日本長寿企業研究第一人者後藤俊夫教授共同著作として、60社ぐらいの日本百年歴史を持つ企業へインタビューして、この秋に上海交通大学出版社より出版されました。

 

本書のあらすじ

日本は何故、世界でも稀な長寿企業大国なのだろうか?

  本書では、作者が過去20年に渡って調べ上げた詳細な統計データを分析した結果、2014年統計したのは創業以来100年以上続く長寿企業が日本には25,321社存在し、第2位以下を大きく引き離す長寿企業大国が日本であるとの結論に至った。更に、この結論に至った原因について徹底的に分析し、その原因の裏にある成功要因と秘訣を深く掘り起こして明らかにしている。特に、経営環境が激しく変化し不透明な今の時代こそ、企業は百年もしくはそれ以上の継続繁栄を目指すのであれば、明確な理論的基礎とぶれない経営理念の構築が大事であると強調した。

本書には60社近くの企業事例を収録して、長寿企業の経営戦略ならびに経営理念を根底のDNAまで掘り下げて解析すると共に、それらの企業の成長事例から長寿経営の理論を導き出し、共通するDNAを検証している。

日本長寿企業が数百年あるいは千年という長期にわたり、祖先から伝わる教訓を忍耐強く守り、事業を大切に育ててきた全ての実話は極めて感動的であり、その裏に潜んだ生命力に学ぶべき事柄は極めて多い。一つ一つの長寿企業が伝える物語を読むと、それぞれが経験してきた挑戦、失敗と成功の軌跡が各頁からリアルに私達の目に浮かび、歴代の事業伝承者の当主達が抱く偉大な抱負を理解することができる。

 

 

又、本書の最後の一章では、これから創業百年を目指して成長を続け、中国の今の世代にも良く知られている数社の企業を紹介している。これらの企業は次世代のために百年計画を立て、長期経営を目指して今精一杯奮闘しており、中国各地においても美容、健康、人材育成、娯楽など人々の幸福実現に向けて貢献を続ける事実を、分かり易く身近な形で描いている。

これらの事例を総合すると、今はまだ百年に到達しておらず、これから創業百年を目指す若い企業においても、視野を世界に向けて、全人類の進歩と文明のために尽くすなら、事業は必ず子々孫々継続しつつ、代々伝承して行く可能性と、長寿経営を実現するための具体的な方法が明確に示されている。取り上げられた企業と経営者の様々な波瀾万丈のストーリを通じて、21世紀に生きる経営者が貴重な経験、教訓及び経営理念を学ぶことが多くできるのは間違いない。

本書は、日本長寿企業研究専門家の後藤俊夫先生と長年日中文化交流に携わってきた王篠卉女史による、日中間の文化の共通点ならびに相違点を十分に意識した共同著作である。経済高度成長期に入り世界から注目を浴びている中国が、アジアならびに世界の経済大国として世界と共生を進める上で、本書には参考にできる点が多数あると確信している。

 

《継承者》目次

前書1:北京大学経済学学院元院長 孫祁祥教授

前書2:日本公立大学法人首都大学東京理事長 島田晴雄教授

前書2:元ソニー株式会社CEO   出井伸井

序論 :本書から何を学ぶべきと知るべきについて

第一章 長寿企業を研究する縁起及び長寿経営の裏にある物語

1好奇心から研究を手がけた

2長寿企業大国日本に四つの特徴がある

第二章 日本は長寿企業大国としての要因を分析

第1節 何故長寿企業大国は日本でしょうか?

第2节 長寿企業大国としての理論基礎を築いた方々

1職業倫理観を提唱する第一人者鈴木正三

2商業理論を取り纏めたのは石田梅岩

3経世済民を実践し、報恩思想を語っていた二宮尊徳

4《論語》と算盤を完璧に合体したのは渋沢栄一

5“企業は社会の公器”を言い出した松下幸之助

6“利他心”を提唱し更に強調してきた稲盛和夫 

第三章 長寿企業経営のDMAを徹底的に解析

第1節  DNA一 地域発展と密接している永久経営

1“锷甚料理”と“大樋烧”

  2松下電気の250年事業計画

3寒天食品への入社日のカレンダーと貴方の末日を選択する

第2節  DNA二 身の丈の経営

第3節  DNA三 自らの強味に徹し、時代の変化に適合した創新と多角化発展

住友商事集団とSoftBank

第4節  DNA四 従業員・顧客・取引先・地域社会を大切にする

1清和鉄鋼株式会社

2富山製薬会社

3大丸デパート

4株式会社精工

第5節  DNA五 リスクマネージメント

1 世界政治環境の変化により起すリスク

2 地震、火災等の大自然からのリスク

3 企业自身墨守成规不思变化企業自身時代と共に変化せず起すリスク

4 家族内部管理から起こすリスク

第6節   DNA六 徹底した事業承継へのこだわりと工夫

亀甲万醤油

第7節   DNAの七 伝統と革新を共にする

和菓子“種屋”

第四章 長寿家族企業経営の特徴

第1節  初心を守り、一子継承

         “稲庭饂飩”

 第2節  妥協しない特徴

         品質にこだわる“玉秀”と信義を守る“壺屋”

 第3節  持続成長

         亀屋

第4節  周辺製品への拡大

         折り紙技を売る湯島小林

 第5節  破壊式革新で従来のルールを破る

         国分株式会社

 第6節  新天地に道を開拓

        “勇心酒造”

第五章  百年秘蔵日本長寿家族事業の様々な経営裏の物語

第1節 金属加工業

1福田金属:家憲の精神生かす、先端産業を支える黒子

2明珍本舗:危機に革新、事業継続の使命感が生きる力

          3鍋屋:16代も続けて、時代に応じて破壊的創造続ける、モノづくりに

する、最先端のロケット部品開発も

         第2節 世界から信用を得た日本の百年食品業

          1 長岡実業:先見性で、一早く海外に飛躍、家業は人生であり命

          2マルハチ村松:道義重視を貫く、原点堅持しつつ代々新事業を開発、 バ

イオとITで躍進

          3 キッコーマン:酱油と市民へ水道を提供して53年

          4 にんべん:13代目の経営に入り、商いの信頼こそ事業の原点、創業者の

思いを込めた屋号、世界初の商品券を

          5 柏屋:5代目経営に入り、鮮度を徹底的に重視して、和菓子を顔の見える

営業貫く、顧客満足度を高める遺伝子、襲名を続ける

           6小西酒造:財閥の道を避けて、持続的に成長のため独立性を重視して15

代続ける

             7 和菓子“赤福”

          第3節 ゴム製造業

                ブリヂストン:50年前の英断で「君臨すれども統治せず」の道を選ぶ、事業承継の準備に10年を費やす

第4節 製薬業

        三光丸:1319年創業。永続的に続く、顧客ネットワークシステムを

開発、組織力で躍進、企業・業界の結束をリード

       第5節 传统工艺和纸制造业

             1 田中製紙:新材料に革新

          2 小泉襖紙:300年続く伝統的手法を守り伝えつつ、時代の変化に合

わせて新ニーズに対応、使命感が伝統を守る

          第6節 サービスと流通業-旅館と料理店

             1 法師旅館:「革新の連続」を守って46代目、一族が事業に溶け込む強さ

           2 丁字屋:街振興事業に尽くす、環境を重視した自然農法を探求、親の背

中みて育つ3世代

         第7節 流通業・運輸業

       鈴与:共生の精神生かす、海運から陸運、更に航空会社に進出、社会的責任を果たす伝統代々、現在8代目

         第8節 倉庫保管業

     1金森商船:観光に大変身、時代を見据えた企業承継

2寺田倉庫:多角化で進化を続ける、相互理解と分担がカギ、攻めの保管業      務で業態革新、遊休不動産、設備を活用して飲食業にも進出

         第9節 纤维、寝具と服装

     1セーレン:秒進分歩で革新、科学的経営の社風を守る、世界に一着の水着

をカスタムデザインで提供

     2西川産業:16代続けて経営革新重ねる、近代的「定法」受け継ぐ

3亀田富染:創業百年を迎え、伝統が生んだ技術の強味を活かして、4代目           が業態転換に成功、チャレンジ魂受け継ぐ、インターネットを素早く導入して若者マーケットを切り開く

          第10節 植林業

                  速水林業:環境を重視して、持続的に成長することを重視

          第11節 建築材料

                  樫野:独自の信仰精神を徹する

          第12節 建築業

                  金剛組、高松建設と中村寺の物語

          第13節 小売流通業

                  AEON:日本のスーパーマーケット帝国を作る

第14節 化粧品業

資生堂:各国人材が集まるのは資生堂の強み

第六章 日本の品質とサービスを代表して、100年に向けて奮闘している企業 

第1節 大塚製薬:大塚思想と大塚の使命は全世界の人々に健康と幸せを届ける

第2節 PASONA:“人の才能が尽くせて、尽くせた才能が花を咲かせる”、人々

が好きな仕事ができる夢を叶えてあげる、地方創生で社会の

責任を負う。

第3節 SONY:世界に“感動”を与えて、人類を未来へ繋げる

後書(王篠卉)苦難の土壌に鮮やかな花を咲かせよ